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PRP。このすさまじい威力。 :岸上義弘
(岸上獣医科病院、京都大学再生医科学研究所 再生医学応用研究部門 臓器再建応用分野)


PRPとは

PRPは、Platelet Rich Plasma(血小板に富む血漿)の略である。6月号で簡単なイラストで紹介したが、読者の皆さんから「あれでは、よく分からない!もっと詳しく!」というお叱りを多く頂いた。この号で、じっくりとご説明する。

再生医療のひとつの手法として、PRPをゲル化して用いることが台頭して来ている。
ここでは、通称 「PRPフィブリンゲル」と呼ぶことにする。
血小板は組織損傷を修復するサイトカインの宝庫であることは6月号にて簡単に触れた。従来、血小板は出血を止めるいわゆる「血液凝固」だけに関連する細胞だと思われていた。しかし近年、止血は血小板の数ある機能の一部に過ぎないことが分かってきた。
傷を負って出血した箇所に集まり、出血を止めるとともに、損傷したところを修復するために送り込まれるサイトカインの宝庫であり運搬役だったのだ。この血小板は体内に多く存在する。とくに流血中に大量に有ることから、血液を採取し、遠心分離することによって、簡単に凝縮した大量の血小板を獲得することができる。遠心分離時に同時に得られるフィブリンとともに用いれば、組織修復を促進する大きな効果が得られるということが分かってきたのである。
フィブリンはPRPをゲル状にすることができ、局所にPRPを長期間とどまらせることができるという「徐放」という効果もある。つまりフィブリンゲルは幹細胞や線維芽細胞の足場となると同時に 上記サイトカインの徐放の基剤となる。

つまり、PRPフィブリンゲルの長所は・・・

・細胞の増殖因子が豊富に含まれており、これが創傷治癒を増幅・促進する。
・自己の成分、自己の細胞を使っているので、免疫拒否反応がない。
・ゲル状態であり、操作性にすぐれ、その場に留まることができる。
・ゲルから増殖因子が徐々に放出され、長期間作用する。
・使用した創傷の痛みを軽減する。
・使用した創傷の感染を抑える。



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